妊娠中の炎症は脳の発達障害につながる
昨年世界中の妊婦さんを震撼させたZikaウイルスによる小頭症の例からわかる様に、妊娠中の感染症は胎児の発達に大きな影響がある。Zikaウイルスは胎児の脳細胞に直接感染して細胞を殺すために発生異常が起こる。しかし、最近問題になっているのは、細菌やウイルス感染によって誘導される母体内の炎症反応が、明瞭な脳の発達異常ではなく、脳の小さな領域の構造異常を引き起こし、自閉症スペクトラムが発症することだ。
実際、母親の炎症と自閉症スペクトラム発症の相関を示す臨床データが積み上がっている。
例えば最近の論文では、妊娠13-28週で38.5度以上の発熱を経験した妊婦さんでは、オッズ比が1.3になり、確実に高くなることが報告されている。
出典:Hornig et al, Molecular Psychiatry, doi:10.1038/mp.2017.119, 2017 したがって、妊娠を計画しているお母さんは、妊娠前のワクチン摂取も含めて、妊娠中に感染による炎症が起こらない様、できる手は全て打つことが重要だろう。
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妊娠時の炎症が子供の自閉症につながるメカニズム(西川伸一) - Yahoo!ニュース
妊娠中の炎症と自閉症発症の相関を示す証拠は集まっているが、母体の炎症が子供の行動異常につながるかは不明のままだ。モデル動物とはいえ、この過程の納得出来る説明に出会うことができたので是非紹介したい。
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